ペパーミントの香りを嗅いだらなんだか頭がすっきり!
そんな経験を持つ方は多いはず。
「ミントスプレー」の回でご紹介した通り、精油は自然植物が生み出した芳香成分です。
その成分を利用して、肉体や精神に働きかける自然療法のひとつが
「アロマ(芳香)テラピー(療法)」。
今回は、安全にアロマを楽しむために知っておきたい精油の毒性・刺激性について
まとめてみました。
精油の毒性
精油には、様々な自然の化学成分が豊富に含まれています。
人の心身にプラスの働きをしてくれるものも多く、
アロマテラピーでは古くからそれを健康に役立ててきました。
しかし、中には多量に使うことで細胞を傷害する成分もあります。
特に性質上、中枢神経への刺激や、身体の解毒を担う肝臓への影響が考えられます。
精油は濃縮されたものですので、必ず希釈して(薄めて)使いましょう。
日本ではそもそも禁止されていますが、内服などは絶対しないでください!
とはいえ、毒性は使用量に依存しますので、通常の使用方法や量を守っている限り
健康への被害は心配しなくて大丈夫です。
有用ではあるものの毒性が知られており、禁忌(人によって使用するべきではない)があったり
使用に注意を必要とする代表的なものを挙げておきます。
ローズマリー/ペパーミント … 妊娠中・授乳中の方、3歳未満の乳幼児、神経系疾患がある方は禁忌
成分にケトン類が多く含まれる精油です。
粘液や脂肪の溶解作用、短銃分泌促進作用、去痰作用、瘢痕形成作用などが主な作用。
風邪の初期や花粉症など、すっきりさせたいときに便利な精油ですが、
神経毒性が高いものがあるので禁忌の方は使用を避けましょう。
シナモン/タイム … 低濃度で短期間の使用を推奨
成分にフェノール類が多く含まれる精油です。
消毒・抗菌の作用がとても強いため、鎮咳などに使用されますが、
肝毒性が高く皮膚刺激もあるため濃度や使用期間に注意が必要です。
ベルガモット/レモン/グレープフルーツ/オレンジ …
低濃度の使用または皮膚に使用後12時間紫外線を避ける
成分にフロクマリン類を含む精油は光毒性に注意が必要です。
光毒性とは、皮膚に付着した状態で紫外線と反応することで
アレルギー・火傷など皮膚への刺激や変色を起こすような毒性のことです。
特にベルガモットに含まれるベルガプテンは強い作用を持ちますが、濃度を0.4%以下で使用する等
使用方法に留意すれば問題ありません。
また、FCF(フロクマリンフリー)の表示がされているものは
工程でフロクマリン類が除去されていますので、肌への使用においては安全です。
ただ、フロクマリン類には鎮静や抗ウツといった作用が期待できますので、
肌に使わない(デュフューザーなどで香りを嗅ぐなど)場合はFCFではない方をお勧めしたいです。
精油の刺激性
肌が弱い人は、使いなれない化粧品や湿布などでも皮膚が赤くなったり、痒くなったりします。
精油の中には刺激性のある成分を含むものがありますが
正しく使うことでリスクを大きく減らすことができます。
刺激を減らす方法として、1番簡単なのは濃度を下げること。
そして、クエンチング(ある成分を他の成分で緩和させる)を行うことです。
刺激性が比較的高い精油と、対処法をまとめました。
レモンなど柑橘系の精油/ジュニパーなど針葉樹の葉の精油/ペパーミント/ブラックペッパー …
低濃度で使用・リナロールを含む精油(ラベンダー・ローズウッドなど)でクエンチングする。
シナモン/タイム … 低濃度で短期間使用(肝毒性もあるため)
レモングラス/ユーカリレモン/レモンバーム … 低濃度で使用・リモネンを含む精油(レモン・グレープフルーツ等の柑橘系)を少量加えクエンチングする。
次回は、アレルギーを起こしやすい精油と特に妊娠中は避けたい精油についてまとめたいと思います。
それでは、今日も心穏やかな1日でありますように^^
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